Before
ジョージコックス エンジニアブーツ シャーク(リップル)ソール
このジョージコックスのソールは、ヴィヴィアンウエストウッドの別注とソールのパターンが同じです。
画像はヴィヴィアンウエストウッド別注のエンジニアブーツです。
通常のシャークソールは歯の向きが同じ方向ですが、ヴィヴィアン仕様はフロントとバックの歯の方向がソールの中心を向いています。
本当はヴィヴィアン仕様のシャークソールで組みたいのですが、今回は歯の向きが同じビブラムソールで組むことになりました。
リウェルト+フットベッドと、すべて新しくリペアしますので、リペア代が通常よりもかかってしまっており、ヴィヴィアン仕様はソールも一から作らなけらばなりませんのでこの部分のご負担をカットしました。
ヴィヴィアン仕様のシャークソールも当店では作成可能ですので、こだわる方はとことんこだわってくださいね!自分のブーツで再現してお見せしたいと思いながら、もう何年も作業手付かず。。。
さて、1枚目の画像が今回ご依頼のエンジニアブーツ。まだいけそうに見えるでしょ、見た目は。これがまた完全にデストローイ!本気でぶっ壊れてます。
当店では基本的に応急処置修理をしない方針ですので、ぶっ壊れているのを見過ごして、とりあえず減っているところ、壊れているところをボンドでくっつけて、といったリペアはありえません。
今回はなぜリウェルトかと言いますと、ウェルトが破損しすぎているんです。
グッドイヤーウェルト製法は縫いをかける製法です。縫い目に色をつけてみます。
黄色い丸の部分、糸がボサボサしているのが見えるかと思います=ウェルトの破損で糸が切れてしまっています。青い色をつけた糸の線も、これ以上書くことができません。ウェルトの破損で幅が狭くなり糸をかける余地がなくこの部分も切れてしまっているからです。
この状態で、応急処置で減った部分のソール積み足などをしても、糸が切れている以上ミッドソールから外れますし、フットベッド(足の直接乗っている場所)も履き口から手を入れてみると完全に壊れているのがわかるほどですので、足の乗るところがない状態で履き続ける=ソールの内側に足が乗っている=体重で押すことになる=その上縫い上げている糸が切れていますから、歩くたびに自らブーツを内部から破壊することになります。
DESTROY感は好きですが、ブーツをデストロイ、破壊すると履くことができません。
さあ!リウェルト開始でーす!
まずは破損したウェルト、フットベッドを取り外します。
もともとのウェルトはプラスチック素材。リウェルトはレザーのウェルトでグレードを上げます。
ウェルトがしっかりしましたので、ミッドソールを取り付&縫い上げ、EVA+シャークソールをオリジナルと同じ厚さ、高さに組んでいきます。
After
今回の特筆点!シャークソールの歯の向きはビブラムソールですので一定方向を向きますが、フロント部分はヴィヴィアン仕様で!
ジョージコックスのラバーソールをシャークソールにした場合と比較してみます。
ジョージコックス 元6番ソールをシャークソールにフルソール
厚底ソールは曲がりにくいので、ヴィヴィアン仕様の方がつま先部分の破損やぶつけを軽減します。また、フロントだけではなくバックの組み方も違いますので、ヒール部分がすり減った時の対処、ご負担が少なくできます。ラバーソールからシャークソールにする場合もヴィヴィアン仕様にできますのでご相談くださいね!
せっかくここまで大掛かりにリペアしましたので、今後はレザーケアももちろんのこと、ブーツキーパーもご使用いただくとアッパーが長持ちしますよ!
ブーツキーパーを使用しないと、履きジワが拡大しますし、なおかつお手入れしていない乾燥しきった革ですと、切れや裂けが生じます。
ブーツキーパー使用前
今後も相棒としてフェスやライブに連れて行ってあげてくださいねー!!