Giuseppe Zanotti(ジュゼッペ・ザノッティ) メタルトップリフトでヒール交換です。
減りにくいということでおすすめしているメタルヒールなのですが、最近特に多いこんな状態にも有効です。
ヒール本体に両足とも縦に1.5cmほどの亀裂があります。
この状態になっているかどうかは、革を巻いているヒール本体では発見しづらいのですが、ヒール本体をスプレーで仕上げている場合はこのように発見できます。
ヒール本体まるごと交換もできるのですが、このヒールのマーブルペイントは復元できませんので、亀裂の補修+メタルヒール交換ということでリペアいたしました。
たいていのヒールはプラスチックでできていて、パイプが入っています。
プラスチックに亀裂が生じている場合(亀裂=寿命が短くなったとお考えください)できれば今後何度もヒール交換はしない方が良いので、長持ちするメタルヒールでヒール交換が有効なのです。
ヒール交換の基本を知らない多くの靴修理店では、交換した古いトップリフトのピン(芯)を落とし込みます。
2回くらいまでは同じシューズのヒール交換を受けるらしいんですが、その後『もう、できない』と言うそうです。
詰め込んでいるので、中のクリーニングが大変だからもあるのでしょうが、亀裂が入ったことに気づいているのではないかと思います
。断られた方が困って当店にいらっしゃると、たいてい割れているからです。
詰め込む(太いピン)→次の交換で打ち込む×2〜3回=ヒール本体を折ったり、割ったり、亀裂を入れたりすることにもなります。
当店でもヒール交換にハンマーを使いますが、繊細なレディースシューズには、最小限の力で的確にDoできるように、何種類もを用途に応じて使い分けています。
PRADAヒール交換の時にもお話ししましたが、適切なトップリフトがないため短く切って瞬間接着剤でその場しのぎをしたり、長さはそのままで半分スライスしてみたり、あの手この手でとりあえずヒール交換をしたことにしているみたいですね。
手を加えることで接地している強化ラバーが長持ちしなかったり、くるくる回ってすぐとれてしまうetcということになりますし、
適切ではないパーツを使用することで、亀裂を入れてしまうことになるのです。
こちらは、BRUNO MAGLI (ブルーノマリ)のヒール交換です。プラスチック部分が縦に割れています。ヒール交換後すぐに亀裂が入っていなかったとしても、適切なトップリフトを使用していないために、歩くことで地面がハンマー(1歩1ハンマーですよ!)になり、亀裂を生じさせる場合もあるのだと思います。
靴修理関連業者から聞いた話ですが、レディースヒール交換のクイック修理が一番儲かるそうで、クイック靴修理店がすごく増えたそうです。
『儲かるからって、こんなやり方していいの!?』とその都度、熱い気持ちで怒りさえ感じていましたが、とにかくそんなやり方の修理人がたくさんいるので(笑)、今まで流してきてしまいました。
詰められた古い芯や瞬間接着剤のクリーニング、亀裂の補修なども一苦労なのですが、お客様のがっかりした顔や、『どうせ靴の修理屋なんて。。。』と落胆する姿が対応していて、つらいです。当店も靴の修理屋なのですよ。。。
しっかりとしたパーツで、ていねいな仕事をするシューリペアショップ
COBBLER NEXT DOORを選んでくださいね!
場所柄オフィスが多いため、当店ではていねいなクイック修理もできます。
通常は3−5分で交換可能ですが、打ち込みすぎたピンの場合は15分ほどお時間いただく場合や、お預かりになる可能性もございます。
またJIMMY CHOOなどの細いピンヒールは、接地面積がどうしても小さいため何度も交換することになり、ヒール本体のパイプを摩耗してしまうこともございますので、メタルヒール(金属製のトップリフト)をおすすめしております。
ヒールの持ちが3−5倍も長いので、その分負担を軽減できます。メタルヒールもクイック修理可能ですので、ご検討ください。